にしんの山椒漬け


~山椒の香り・風味がピリッときいた酒の肴に最高の品~

料理人:立川 智恵子さん

名前の由来

にしんの背肉だけをとって乾燥させたものを身欠きにしんといい、それを山椒の芽が芽吹く5月に山椒の新芽とともに漬けたことから、にしんの山椒漬けとして食べられている。にしんが貴重品となっている現在では、背と胴に分けないで左右の片身ずつ二枚に割ったものが売られており、乾燥の状態も昔のようにカラカラに干さず、半乾燥のものが多くなっている。

歴史(先人の知恵)

身欠きにしんは、江戸時代初期から新潟港を経て会津に運ばれていた。山国会津ならではの海の幸をじょうずに活用している。山椒の特性を利用し腐敗を防ぎ、にしんの生臭さを取り除き、味のアクセントを付けるという、先人の知恵には驚かされる。

料理人と時代背景(エピソード)

身欠きにしんは、春、3月を過ぎるとなわでまるったものが売られていた。子供のころは、そのにしんを2、3本持って、軒先に吊るしてある凍み餅とともに持って、遊びに出かけた。お菓子など何もない時代であったので、にしんをかじりながら、石けりや馬のりをして遊んでいた。田植えの時のおかずとしても食べられていた。子供のころは、山椒の強い香りがきつくて食べられなかったが、今は、大好物である。

器や祭り(冠婚葬祭)との関り

にしんの山椒漬けは、会津全域で昔から食べられており、南会津町の田島祇園祭などでも、昔から食べられてきた。にしんを漬けるには、にしん鉢という独特の漬け鉢を使う。会津本郷焼の窯元で江戸時代から作られており、会津の地場産業と郷土食がぴったりとかみ合った一品と言える。

栄養価
山椒の新芽が腐敗を防ぎ、保存性を高めるのと同時に、独特の香りと酸味が加わって、にしんの生臭さを取り除いている。火にあぶると、香ばしさが増し、酒の肴に合う。山国会津にとって、貴重なタンパク源の一つである。

材料(20人前)

●身欠きにしん1kg(約20本)
●酒 2カップ
●醤油 2カップ
●酢 2カップ
●砂糖 大さじ3
●山椒の葉 80~100枚

作り方
こめのとぎ汁に、身欠きにしんを5時間ほど漬ける
にしんの頭としっぽをはねる。
調味料、酒、醤油、酢を2カップずつ、砂糖を大さじ3杯、入れる。
砂糖がとけるまで火にかけ、さまして、つけ汁をつくる。
にしん鉢ににしん、山椒の葉を交互に重ねていく、最後は、山椒の葉で覆う。
つけ汁をかけて、押しぶたをして、重石を乗せて4~5日漬け込む。
食べやすい大きさに切って、山椒の葉も乗せ、彩りを添える。


調理例
そのまま食べても美味しいが、火にあぶると香ばしさが出て酒の肴にピッタリ。

食べることのできる店
・桐屋(会津若松市)
・渋川問屋(会津若松市)
・田季野(会津若松市)
・蔵見世(喜多方市)
・いわはし館(猪苗代町)

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